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「予防医学」とはどういった考え方?
今後の未来における重要性とは
今後の未来における重要性とは
「予防医学」とはどういった考え方?
近年、予防医学という分野への注目度が高まっています。予防医学とは簡単にいえば「病気にかからないように予防する」という考え方です。病気にかかってから治すのではなく、病気になりにくい体作りを推進して健康を維持することを目的としています。 この記事では予防医学の意味や重要性、今後の展望について解説いたします。
今後の未来における予防医学の重要性
現代は、日本のみならず世界中で高齢化が進んでいます。高齢者が年々増えていくということは、体の不調で病院にかかる人も年々増えていくということです。 体の不調というのは、病気はもちろんケガなども含まれます。
たとえば、高齢者が体力の低下によって道で転倒し、大腿部骨折という大ケガを負ってしまったとします。若い人であれば回復力や体力があるのでリハビリ次第で健康な状態に戻ることができますが、高齢者の場合は元々体力が少ないこともあり、寝たきり状態になってしまうケースが高くなります。
このように、治療や介護を受ける人が増えれば医療費も増大し、社会保障制度ではまかないきれなくなる可能性にも発展します。医師への負担が増すことも考えられるため、速やかな対応が必要なのです。
先進国の中には30年以上前から予防医学を取り入れている国も数多くあります。福祉大国と呼ばれる北欧諸国では、既に国民に予防医学の考え方が浸透しており、寝たきり老人の人数も減少しているのだそう。しかし日本では、病気や怪我が起きてから治療するという考え方がまだまだ主流であり、今後の意識改革が重要視されています。
予防医学の「3つの領域」とは
一次予防……健康増進
一次予防は、健康な時期に病気の予防を意識することです。例えば、健康診断や予防接種を受けることは、健康的な体を維持することにつながります。食事の内容に気を遣い、メタボリックシンドロームを予防することも大切です。生活に適度な運動を取り入れることも、病気や怪我を予防する有効な方法といえます。一次予防では、運動指導者が活躍します。
二次予防……早期発見・早期治療
二次予防は、病気を早期発見して適切な治療を受け、重篤化を防ぐことです。
現在では医療が進歩し、早期発見ができれば大抵の病気を治すことができるようになりました。早い段階で病気の芽を摘んでおくことで、患者の負担はもちろん、医療費や人件費の削減にもつながります。
三次予防……リハビリ
三次予防は、既に発症した病気の再発を防ぐことをいいます。具体的には、保健指導やリハビリテーションが挙げられます。体調のサポートだけでなく、生活習慣へのアドバイスや心のケアをしてあげることも必要です。この三次予防では、理学療法士と作業療法士が活躍します。
予防医学が必要とされる理由
人間の体は、加齢によって少しずつ老化や疲労が蓄積していきます。回復力も低下するので、病気にかかったり怪我を負ったりしてから病院で治療をするのでは遅いのです。 いつまでも健康でいるためにも、病気や怪我を防ぐためあらかじめメンテナンスをしておくことが大切といえます。 介護予防事業では、理学療法士が医師の指示がなくとも業務が行えます。(2013年厚生労働省医政局より) このこともあり、今後は日本でも予防医学が広く必要とされ、介護予防事業が発展していくといえます。
「病気にかかってから治療する」という従来の考え方に代わって、近年では予防医学への意識が次第に高まりつつあります。 医師や看護師のほか、リハビリに関わる理学療法士や作業療法士など、予防医学の領域で活躍するための資格はたくさんあります。専門学校で知識やスキルを集中的に学び、予防医学のプロフェッショナルを目指してみてくださいね。