medical
鍼灸師
このページの内容
鍼灸師の仕事
鍼灸師とは
鍼灸師(しんきゅうし)とは鍼(はり)と灸(きゅう)を用いて鍼灸治療をおこなう職業。
はり師ときゅう師はそれぞれが国家資格を必要とする職業であり、はり師資格のみ、きゅう師資格のみでも活動することができます。
しかし、はり師ときゅう師両方の資格を取得して働く人がほとんどのため、まとめて鍼灸師と呼ばれることが多いです。
鍼灸とはどんな治療?効果は?
鍼灸治療と呼ばれる治療法は我々が普段目にする西洋医学と異なり、日本や中国で古くから伝わる東洋医学による治療法の一種です。
鍼や灸を使って人間の体を刺激することにより免疫力を高めたり、自律神経を整えるといった効果があります。
西洋医学と違い東洋医学には科学的なエビデンスが少ないですが、東洋医学の効果についてはWHOも認めており1979年には43の疾患に鍼灸治療が適応していると発表しました。
日本国内でもその効果は認められており、神経痛やリウマチなど一部の傷病に対しては健康保険の適用も可能となっています。
鍼灸師ってどんな仕事?
鍼灸師の使用するはりやきゅうには人体を活性化させる効果があり様々な症状に有効です。
鍼灸師になるには
専門学校で「はり師」「きゅう師」の国家資格を取得しよう
鍼灸師になるには「はり師」、「きゅう師」という二つの国家資格を取得する必要があります。
はり師・きゅう師国家試験の受験資格は鍼灸師養成学校を卒業することで取得することができます。
養成学校では、はりきゅうの実技や東洋医学概論、経路経穴概論、解剖学などを通して東洋医学や人体のしくみについて学ぶことになります。
最近では鍼灸の美容やスポーツ分野での利用が増えていることもあり、それに特化した専攻を用意している学校もあるので自分の目指すキャリアに合わせたコースを選択しやすくなりました。
また、社会人向けに夜間や午前集中のコースを用意し、働きながらでも鍼灸を学べる学科を用意している学校もあるので、ライフスタイルに合わせた勉強が可能です。
国家資格の合格率は?
鍼灸師を目指すうえで気になるのはその試験の難易度ですよね。はり師・きゅう師国家試験の合格率はどのぐらいなのか調べてみました。
令和2年2月に実施された第28回はり師及びきゅう師国家試験はこのような結果でした。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
はり師 | 4,431名 | 3,263名 | 73.6% |
きゅう師 | 4,308名 | 3,201名 | 74.3% |
ここ五年間の合格率はこのようになっています。
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
---|---|---|---|---|---|
はり師 合格率 | 73.4% | 67.0% | 57.7% | 76.4% | 73.6% |
きゅう師 合格率 | 75.0% | 67.7% | 62.5% | 78.5% | 74.3% |
はり師・きゅう師共に19年からは合格率が70%台に回復していますが、18年のように合格率が6割程度と低くなっている年もあるので油断は禁物です。
過去問を解くなどしっかりと対策して試験に望むべきでしょう。勉強に自信の無い人は学校選びの際に、試験対策に力を入れている学校を選ぶといいかもしれません。専門学校の中には国家試験対策のカリキュラムを導入し合格への手厚いサポートをおこなっている学校もあります。
鍼灸師の活躍の場は?
- 鍼灸院
- 病院
- 介護・福祉施設
- 美容サロン
- スポーツトレーナー
鍼灸師の多くが鍼灸院や病院、介護・福祉施設といった医療関係の施設で働いています。鍼灸師のなかには独立開業し、鍼灸院や接骨院を運営している人もいます。
近年では鍼灸の身体機能を高める効果などが注目され美肌エステのような美容目的での利用やアスリートのけがの予防や治療のためのメディカルスタッフとしての活躍が増えています。
あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師との違いは?
鍼灸師とよく似た職業としてあん摩マッサージ指圧師や柔道整復師がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師と同じく東洋医学を基礎とした治療をおこなう職業ですが、はりや灸のような道具を使わず、指圧によるマッサージで体を解きほぐし治療します。いわゆるマッサージ師と呼ばれる人の多くがこのあん摩マッサージ指圧師です。
鍼灸師と親和性の高い職業なのであん摩マッサージ指圧師とはり師、きゅう師の受験資格を同時に取得できるようなカリキュラムを組んでいる所もあります。
柔道整復師
鍼灸師と違い骨折や捻挫といったケガに対する施術をする職業です。手技による治療や湿布やテーピングを用いた治療をおこないます。
ケガへの応急処置もできるのでスポーツトレーナーとしてアスリートの近くで活躍している人も多くいます。