高校生の時に介護福祉士の資格を取得し、福岡医健の作業療法科に入学した田中さん。
介護福祉士と作業療法士の違いを聞いてみました!
介護福祉士と作業療法士の違いを聞いてみました!
田中さんの進路活動について
田中さんは高校で介護福祉士の資格を取得した上で、作業療法士をめざされているわけですが、高校生の時に介護福祉士の資格を取得した経緯を教えてください。
私自身、中学生の時にリハビリを受けたことがあり、その時初めて「リハビリはお医者さんではなく、リハビリをする人がいる」ということを知りました。
そして、その時のリハビリがとても楽しかったので、「リハビリの業界に行きたいなぁ〜」と思っていました。
なるほど!元々はリハビリ業界をめざしていたのですね!
はい。でも中卒ではリハビリの業界に行けないので(笑)、将来リハビリの業界に行く時に役に立ちそうな介護の勉強をしようと思って、介護福祉士の資格が取れる高校へ進学しました。
高校に入学前の春休みに曽祖母の介護をお手伝いしている時に、曽祖母がリハビリが嫌いということを知って(笑)。
あらら…
そうなんです(笑)。
高校での介護実習でも高齢者の方はリハビリに苦手意識がある方が多く、でも私が受けたリハビリは楽しかったので、すごくギャップを感じました。そこで、リハビリを受ける人みんなが「リハビリの時間は楽しい」「受けてよかった」と思ってもらいたい、私もそこに関わりたいと思って、改めてはっきりと「リハビリの業界に行こう!」と決心しました。
介護福祉士と作業療法士、同じようなイメージを持たれている方が多いようなのですが、違いを教えてください。
違う資格なので、もちろん違います!
介護福祉士は、相手の方の生活面のサポートをします。例えば、食事介助や排泄介助、喀痰吸引などその方の生活の一部をお手伝いします。 できないことを代わりにお手伝いすることです。
一方、作業療法士は、元の生活に少しでも近づいた生活ができるようにアプローチしていきます。その方の残っている身体機能と今後改善できそうな機能を日常生活の中の動作を取り入れながらリハビリをしていきます。
分かりやすい例でいうと?
そうですね…、『食事を摂る』場面でのアプローチの仕方が、介護福祉士だと口元まで持っていく。
作業療法士だとどうやったら自分で食べれるようになるかを考えて、必要であれば自助具や福祉用具を用いて、残っている機能を確認しながら、できるだけ自分で口まで持って行けるようにアプローチしていく、という感じです。
なるほど!
では、両方の資格を持つメリットって何だと感じますか?
介護福祉士と作業療法士の2つの資格を持っていることで、患者様を観察する力が付き、相手の立場に立って考えやすくなると思います。それは高齢期の作業療法を行う際だけでなく、身体障害分野でも精神分野でも関わってくると思います。
介護福祉士でも作業療法士でも、学ぶ過程で必ず実習に行きます。そこで、利用者の方や患者様との関わり方や介入の仕方をそれぞれで学ぶことができました。各症例の特徴を観察・把握し、患者様のできる範囲を考えながら、患者様の要望に寄り添える支援をすることの重要性を感じ、必要な介入ついて考える習慣が身に付きました。
作業療法士の魅力とは?
田中さんが感じる作業療法士の魅力はなんですか?
作業療法は、傍から見ると患者様と一緒に遊んでいるように見えることもあるかもしれませんが(笑)、それが魅力だと私は思います。
『リハビリ』というと「身体を動かさないといけない」「治さないといけない」など『◯◯しないといけない』というように考えてしまいますが、作業療法は日常生活の中で自然と行っている生活活動や趣味をリハビリとして取り入れることで、楽しみながら”気づいたらリハビリになっていた”というような介入ができます。
また回復していくと患者さんが笑顔になり、楽しそうにリハビリをしてくれます。そして、その瞬間を患者さんと一緒に共有できるのが作業療法士だと思います。
作業療法士はどんな人が向いていると思いますか?
「誰かのためになる仕事がしたい」「誰か(患者様)を笑顔にしたい」など”人のために何か貢献したい”という気持ちと覚悟さえあれば、誰でもめざせる職業だと思います!
あまりこの職種を聞いたことがないという方もいるとは思いますが、『人のために働きたい』という方は、ぜひ作業療法士という職業も選択肢のひとつにしてみてください。
作業療法士の魅力について、とても楽しそうにお話してくれた田中さん。
将来、作業療法士としてたくさんの患者様を笑顔にできるよう頑張ってくださいね!